介護

2025年05月07日

私の気持ち次第

行事のお知らせに来てくれた近所の人が「9:00に集会所ね」と言っているのが聞こえる。
戻ってきた母に「何時集合か覚えてる?」と聞くと「9:30」自信満々に答える。

短期記憶ができない母。
こんなことでは全然驚かない。

私が驚くというか疲れ果てているのが、銀行の口座について。
父がA銀行とB信用金庫に口座にを持っていた。母はA銀行に持っている。
「ねぇ、B信金の通帳がないんだけど」
「B信金はお父さんの口座だからもう使えないし、お母さんは口座がないから通帳ないんだよ」
「じゃあA銀行だけでいいのね」

こんな会話を、父が亡くなってから行くたびに3回くらいしているので、大げさでなく50回は繰り返している。電話がきたこともあった。


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先日はこれに加え「じゃあお金はどうなるの?」と聞いてきた。
「お兄ちゃんが来て3人で相続の手続きに行ってるでしょ?それが終わらないとお金は動かせないんだよ」
「相続の手続きに行ってるのね」
「お母さんも一緒に行ってるじゃん」
「そう?」
どうやら何に行っているかわからず、ついてきていたらしい。

これ以外にもキャッシュカードとクレジットカードについてとか、なんども繰り返す話はいくつかある。
ちなみにこの日、口座について4時間で3回聞かれた(涙)


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心広くゆったりと、繰り返す話につき合ってあげられればいいけれど、まだまだ小っちゃい私。

相続がすんだらこれらの質問はなくなるんだろうか… 歳だからさ、仕方がないのはわかっている。でもね、疲れるのさ。

9:30と答えたけれど、近所の人とのやり取りにおかしなところはない。これが認知症ではなく老化ということか。

お茶を飲みながら同じやりとりを繰り返す。これからはそんな日々になるんだろう。その場その場楽しくいられればいい。
気持ちを切り替えなくっちゃ。そう、私の気持ち次第。
う〜ん、難しい…


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tsukko0613 at 08:30|PermalinkComments(0)

2025年04月24日

カオス過ぎるやりとり

今夏、母が旭川に住む姪っ子のところへ行くらしい。

兄から「8月◯日から△日におふくろが旭川に行きたいと言っている。俺たちと向こうで合流する。チケットは自分で取るように言ってあるし自分でやると言ってるが、状況しだいで手伝ってやってくれ」というラインがきた。

「はあ?!」自分で取るように言ってあるしってなんですか?89歳にやらせるんですか?
自分でやると言っている…言いますよ、お母さんは。考えずになんでも「うんうん」と肯定する人だからね。

「私がやることになるに決まってるし、チケットはどこの代理店でも取れるんだから、そちらの旅行はそちらでやってほしいです」
私はブチギレていたが、ブチッという音がしない程度の返信をした。

負けなど許されない生き方をしてきた兄(笑)からの返信。
「ただ日程を知らせただけです。迷惑はかけませんよ。こちらで引き取ります」


ちょっとブレイク
飼い主さん、落ち着いて!

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実家に行くと母が「今年も旭川に行くことになっている」と言う。
「今年もって?」
「毎年行ってるから」
いやいや、行ってないよ!
昨年お父さんは施設だったし、一昨年は入院してた。2022年に行ったのは知ってるけど、たぶん過去2〜3回しか行ってないはず。

「そうかねぇ、去年も行ったと思ってたけど…切符の話をしたら、Mちゃん(兄嫁)がそれは全部こちらでやるから心配しないでいいって言ってくれた」と母。

私は吹き出す。もうカオス。何がなんだか(汗)
私がそちらでやれ!と言ったからそうなったのだと、兄とのラインの内容を話すが母が理解できたかはわからない…

その上「私は行きたくないんだけど」と母は言う。えっ?!行きたいから行くことになったんじゃないの?
知らないうちに行くことになっていたらしい。母の「うんうん」を本気にしてしまった行き違い?
どちらが本当?


困ったおばあちゃんとお兄さんだね

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お疲れさまです

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たぶん出発まで、行きたくないのに行くことになってた話を繰り返し聞かされることになるんだろうなぁ。今からどんより。

それにしても、なぜに3泊もなんだろう。飛行機で行く距離と小学生以下の三姉妹がいる家は、かなり疲れると思うけど。滅多に行けないから長いのか…そのときはもう90歳になっているばあさんの気力体力を気遣ってほしいよな。
まあ、大きなお世話ですけど(笑)


絶対巻き込まれるね
いや、もう巻き込まれてる

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tsukko0613 at 08:30|PermalinkComments(4)

2025年04月10日

認知症検査

物を覚えることができない母。認知症の検査を予約すると「がんばるから待ってくれ」というメール。
待ってくれと言った母に疲れたブログはこちら↓
https://tsukko0613.livedoor.blog/archives/31262105.html

「検査は家で暮らすためのものだよ。薬が必要なら飲んで進行を緩やかにしなくてはいけないし」
そう説得するとなんとか承知してくれた。どうやら、結果が悪かったら即施設にいれられると思っていたらしい。


ちょっとブレイク
ぺろりん

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先週検査をして、昨日結果を聞きに行った。
結論からいうと、認知症ではないという診断。年齢からくる物忘れ。

いわゆる認知症のテストは基準点より上、その他の検査は下だったけれど年齢相応。家の様子が乱れてきた、服装がおかしくなってきた、料理買い物などの手順がわからないなど、生活面については全く問題がないのも認知症ではないという大きな理由のようだ。

ホッとはしたけれど、私の周りの90歳前後の人と比べると物忘れはかなりひどい。20回以上話しても覚えられない話がいくつもある。


疲れた飼い主さんを癒すのはぼくさ

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認知症なら病気だから仕方ない。でも年齢なら抗ってもらわなくてはいけない。
そこで病院の帰りに本屋に寄ってクロスワードの本を買う。
病院に行く前、町内に出す書類を書かせていて私の苗字の漢字がすぐに出てこなかった。言葉を考えたり、書いたりする機会がとにかく少ない母。
言葉を連想したり思い出す練習には、クロスワードはとてもいいと思うから無理はせず1日1枚やろうということで、家に帰って一緒にやってみる。

すごく簡単な言葉でも、脳にぼんやり浮かんでいるようだが単語として出てこない、そんな感じだ。
ほとんどできないので途中で「もう、いやだ!」と言い出した。
「そんなんじゃ、どんどん衰えるぞ!」病気じゃないから、言ってやる(笑)


おばあちゃん、すぐいや!って言うもんね

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ヒントを与えながら解いていたとき、ある単語が目に留まった。
"佐渡島に生息する日本を象徴する鳥"
答えは『トキ』母は答えられなかった。
私は以前実家の居間に、父母が佐渡島旅行でたらい舟に乗った写真皿があったのを思い出したので、そのことを話してみた。
すると珍しく母の目がキラキラして「行った行った」と話し始める。
『いづも』(出雲)という答えに「お母さんたち、行ったことある?」と聞くと「ある、大きなしめ縄があった」とまたキラキラ。

「クロスワードって楽しいね。毎日やるわね」

もちろん、クロスワードで大きくなにかが変わるとは思っていない。きっかけ作りだ。
こうやってひとつの単語から思い出を引っ張り出して他の言葉を繋げていくこと…これが記憶力を呼び戻していくと信じてみる。

施設に入れたいわけじゃない。できるなら住みたい家でがんばって楽しく暮らしてほしい。
そのために、ちょっとお尻を叩いてやりましょう。

今このブログを書いているとき、母からメールが届いた。
「クロスワード面白いね。ついつい2枚目もやってしまいました」
続いてほしい、この意欲(笑)


爪切りと肉球の毛を切ってるところ

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tsukko0613 at 08:30|PermalinkComments(2)

2025年03月27日

卒哭忌

父の百箇日法要に兄は来ず、母と私たち夫婦で行なった。
仏壇を買ってから初めてお寺さんに来てもらったので、仏具の置き方などを直してもらい、お経をあげていただいて法要は終わった。

百箇日法要は卒哭忌とも言われ、遺族が悲しみや嘆きから卒業(脱し)し日常生活に戻る節目となる法要。
以前、知人の死に混乱していたとき、卒哭忌の意味を知ってその日を境に心がスッと楽になったことがあった。
父の死は私にとって悲しみに浸るものではなかったけれど、節目という意味では大切な日になるだろう。


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母も寂しさはあるけれど悲しみに沈んでいる感じではない。
私と母の関係は一緒に父の思い出話をするより、母の物忘れをどうするか・・物忘れ外来を予約したり母がやれない手続きなどを手伝うので精一杯。

母は少しずつ片付けをしているが、その過程で「形見分けを」ということには一向にならず、しびれを切らした私は百箇日法要が終わった後納戸に行ってタンスを開け、父のために買ったカーディガンを探した。

施設では、かぶりのセーターよりカーディガンがいいだろうと選んだ物たち。
右側の襟から胸にかけて、白いシミがうっすらついている。右手でスプーンを持ったときにこぼれたんだな。

「お母さん、これ息子かダンナが着れるから形見分けにもらっていくよ」
このとき母は初めて"形見分け"を思い出したようだ。


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私は…筆記用具などがごちゃごちゃ置かれているところから、ラジオペンチをひとつ手に取る。
父の形見なら道具が1番だ。私のモノづくり大好きな性格は父譲り。
ボランティアでよく使うラジオペンチ。「そんな変な物」と母は言ったが、私にはこういう物こそ父との繋がりを感じる。


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家に帰ってカーディガンを洗う。
シミは完全には取れなかったけれど、ほとんどわからなくなった。
このシミは、父が戦った証がんばってた証。
施設での父の様子を思い出して、少しだけ泣いた。


私がプレゼントしたり、選んだりした物
息子には小さいかなぁ

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tsukko0613 at 08:30|PermalinkComments(2)

2025年02月27日

欲しいのは…

実家から帰って来ると、玄関に義母がいた。

「実家に行ってたの。請求書とかチェックしないといけないから…ああ疲れた」と言うと「ちゃんとやってあげなさいね」と義母。

お母さんのためにちゃんとやってあげなさい…母を気遣ってくれるのはうれしいけれど、私が欲しいのは労いの言葉。
「お疲れさま」とか「無理しないでね」とか。


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東京の兄よりは近いけれど、私の運転だと片道1時間かかる実家。普段そこまで長く運転しないからものすごく疲れる。しかも交通量が多い国道。

滞在中は、何度も同じ話を大きな声で繰り返さなくてはいけない。忘れちゃうのも耳が遠いのも仕方ない。でも疲れるのも仕方ないよね。
そして、また私が嫌がることを強要してきて「いい加減にして!」と最後に大きな声を出してしまった。これも仕方ないことなのか…

やっぱり労いの言葉も要らない。欲しいのは何にも言わない知らん顔。放っておいてくれたらいい。


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tsukko0613 at 08:30|PermalinkComments(2)